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10. いじけた指先に熱を絡めて
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「もっと、もっと呼んで。ひなたちゃんの気持ちいいとこ、いっぱい突いてあげるから。だからもっと……」
ポタリと汗を滴らせながら、欲情しきって低く甘く掠れた声で弱い左耳に囁かれて、とろとろになってしまった頭ではもう拒否なんてできない。
気持ちいいところというワードに脳みそが魅了されて仕方なくて、どうしてなんていう疑念を抱く間もなく何度目かの名前を口にする。
「さくや…っ、んあ…っさ、くや…ぁ!――っひゃあ、ぁ…!」
身体を重ねるのは三度目のはずなのに、なんだかこれが初めてみたいに感じる。
それは、それは多分きっと…
「んっ……ナカ、ビクビクしてる…もうイきそ?」
「は、ふぁ……っん…」
優しい問いかけにこくりと頷くと、ふ…と柔らかな微笑みと共に頬をするりと撫でられて、触れるだけのキスをされる。
「ふ…いっぱいイこうな?」
「っ…!あ、あー…っ!」
いつもの倍、気持ちいいと感じたのは、俺が欲情していたからじゃなくて、きっと。
天宮城も、俺も。
互いが互いを求め合って、カチリとパズルが嵌まるみたいに何かが繋がった証。
「~~ああぁぁっ…!」
身体の奥が熱く弾けて、一瞬頭が真っ白になる、その中で。
天宮城の――朔夜の。
消え入りそうに、泣きそうにくしゃりと歪んだ笑みが、垣間見えて。
どうしてと、思うよりも早く。
俺の意識は、途切れた。
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