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12. 惹かれ合った呼び声は陽だまりの元へ
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一つ、明日明後日の土日は一切外に出ず、何か用があるならコンシェルジュに全て頼むこと
二つ、明々後日からの大学は朔夜の許可を貰ってから、朔夜かもしくは朔夜の付き人――百鬼(なきり)さんというらしい――に必ず送迎してもらうこと
三つ、朔夜が許諾するまでは大学では極力奏との接触を避け、大学にも行かない方がいいと判断したら素直に従うこと
四つ、自分の家に帰ることは厳禁、もちろん奏の部屋に行くのも禁止。ほとぼりが冷めるまでは朔夜のこの家で過ごすこと
「――それから、この家は好きに使っていいけど俺の仕事部屋にあるパソコンだけは弄っちゃダメ。……あとは…」
「…まだあるの?過保護にもほどがない??」
「万一を考えてるんだよ。備えあれば憂いなしってね。仕事だって、起こり得る事態の全てに対策と対処法を練って備えておけば何かあってもどうにでもなるし、気も楽になる。――というわけで、ひなたちゃん。スマホ持ってたら貸して」
「スマホ?いいけど……」
ソファの上で重なり合った体勢を崩さず、ズボンのポッケを探って取り出したスマホを朔夜に手渡す。
電源の入っていないことを確認してから朔夜は、にっこりと笑ってそれを自分の服の中にしまった。
「はい、これは没収」
「っは!?ちょ、さすがにそれはっ……ゲームのイベントだってあるのに…っ」
「…しょうもない理由だなー……ま、明日代わりのやつあげるから。そっちでやってていーよ」
「あ、なんだ……」
じゃあいっかな、なんて呟いた俺を、かわいいって笑う朔夜は、どうして。
こんなにも俺を気にかけるのだろう。
聞いてみたい気がして、でも安易に聞いちゃいけないことのようにも思えて、結局言い出せないままだった。
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