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20. 始まりの道
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馬鹿な俺と違って頭が良い天下の朔夜様が、俺がしてしまった危ない約束を忘れるはずもなく。
「ね、ひなたちゃん。いっぱいサービスしてくれるって言ったよな?」
「う……い、言ったっけ?」
「えー、ひなたちゃんが猫耳メイドコスして俺にご奉仕しながら『ご主人様』って呼んでくれるって…」
「そっ…そこまでは言ってない!朔夜の好きなようにって言ったけどそれは……」
にっこりと笑う朔夜に、遅まきながら自分が墓穴を掘ったことに気付いた。
誘導尋問って言うんじゃないのか、こういうの…
「ふは…ひなたちゃんまっかっか。かわいー」
「~~嵌めただろ…!」
「え?いやいや、ハメるのはこれから…」
「そういう意味じゃない!!」
むくむくと膨らむ頬を朔夜がつついて、それがまた気に入らない。
ぷんすかする気持ちを存分に表してそっぽを向いている間に、朔夜が俺の隣に腰を下ろした。
「ね、今日は青姦しよっか」
「あおかん…?」
「ここでえっちするってこと」
「な…っ」
「でもするかしないかはひなたちゃんが決めていいよ」
野外でのえっちなんて馬鹿げた発想、却下するに決まってる。
でも、朔夜の言い方が妙に気になった。
朔夜の好きなように抱いていいというのは、俺が言ったことだ。
だから本来俺に拒否権なんてない、のに。
「種明かしをしよう、ひなたちゃん。俺達の関係の裏に、なにがあったか。それを全部知った上でこれからを決めて」
決めるのはひなたちゃんだと、朔夜は俺に指先を向けて微笑む。
離れることなんて想定してなかった俺を、真っ直ぐに指して。
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