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登校
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静夏side
『君がそうしたいなら、そうとらえてくれていいよ』
正直、そういわれて動揺しなかったわけじゃない。
けど、昨日で彼に対する思いを終わらせた俺には、もう必要のない感情だった。
「学校、行くのか?」
まだ食べ終わっていない朝食をちまちま食べる楽に、俺は尋ねる。
「うーん、そうだなぁ・・・4時間目の終わり頃には行こうかな」
楽は、ちぎり取った食パンの耳を加えてモサモサしながら言う。
「相変わらずだな」
楽の皿を取って片づけながら言うと、「それほどでも」なんて適当な返事が返ってくる。
「褒めてない」
そろそろ着替えるかとハンガーにかけた制服を取って、着ていたシャツを脱ぐ。
「尼野くんって、案外筋肉あるよね」
「お前は見た目通り薄かったな」
「いやん、エッチ///」
「・・・」
「冗談だよ、怖い顔しないで」
相変わらずの笑顔で言う楽に、俺は一つため息をつく。
制服のズボンのベルトを締め、ポケットから取り出した鍵を楽に放り投げると、楽が反射的にカギをキャッチする。
「もう出るから、家出る時はロッカーに鍵入れといて」
「はいはーい」
ひらひらと笑顔で手を振る楽に一回手を振って、俺は家を出た。
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