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おかえり
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静夏side
そのまま、昼休みの残り数十分を似たようなくだらない話題で過ごし、授業を済ませ、放課後に友人と別れるところまでを終えた。
後は家の鍵があるかどうか、だ。
無かったら適当に一日、知り合いに泊めてもらおう・・・まぁ、嫌がるだろうけど。
家の玄関まで来たところで、ポストに鍵を見つける。
「・・・意外」
ぼそりと呟いて鍵を開けようとしたところで、俺は扉の違和感に気が付いた。
鍵が、かかってない。
普通、鍵を掛けた後にポストに鍵を入れるものじゃ・・・。
疑問に思いながら扉を開けて、俺は苦い顔をした。
「おかえり♪」
予想外だ。リビングのソファから玄関に向かってかかった声は、楽のものだった。
六時限目にはもう帰っていたと聞いていたが、まさかここに帰ってるとは思わない。
「何で・・・」
苦い顔のまま、俺は楽の寝転がるソファまで歩いて行って楽を見下ろす。
「うーん・・・そうだねぇ」
楽は考えた後、
「尼野くんって、一人暮らしじゃん?だから、ここに住ませてくれたりしないかなぁって」
「は?」
「怒らないでよ、家事とかならちょっとくらいしてあげるから」
「怒っては、ない」
「あ、そなの?」
楽はきょとんとして、それからいつもの笑顔を浮かべる。
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