アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
整理
-
静夏side
「気が向いたら・・・ね」
楽がシャワールームに向かってから、一人呟く。
「便利だな」
使い勝手のいい言葉だと思う。
シンプルにソレが心にストンと落ちた。
好きなら好きで、いつ好きじゃなくなってもいい。
「いつ、捨ててもいい」
無理に処理すればしようとするほどドロドロするのなら、そっちの方が心に余裕がうまれるだろう。
俺は一つ一つ、言葉を上げて頭の中を整理する。
「気が向いたら、捨てればいい。気が向かなければ、持っていればいい」
感情なんて使い方次第だ。
「・・・・」
ただ、それだけの話じゃないか。
俺はため息を吐いてソファにもたれかかり、傍にあったリモコンでテレビをつける。
『昨夜未明、B区海岸にて身元不明の遺体が見つかりました。警察は、先週姿を現した通り魔殺人事件の犯人が関わっていると予想しており――近隣の住人の皆様はくれぐれも注意して―――』
ふいにシャワールームの扉が開く音がして、俺はシャワールームの方を向く。
上がってきた楽は、タオルで髪を拭きながらおれの横に腰かけた。
「通り魔って・・・物騒なニュースだねぇ」
下着はコンビニで買ってきたと言っていたので準備してない。脱衣所に準備していたトレーナーは大きかったらしく、着ている様子を見ると少しぶかぶかに見える。
「お前はあんなところに転がってて、よく刺されなかったな」
俺はニュースの画面に目をうつしながら、そう返した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 116