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ふわりと、香ばしい匂いがキッチンを包む。
後で朝食も作らないとな・・・。
「・・・ふぁ、おはよ」
さっさと弁当と朝食を作り終えた頃、楽があくびをしながら起きてきた。
「・・・・」
と、思ったら、すぐにもぞもぞとソファで寝だした。わざわざ毛布まで引きずってきたらしい。
「弁当、できてるから」
「んー・・・うん」
俺がタオルで手を拭きながら近寄って一声かけると、楽はわかっているのかわかっていないのか、寝ぼけ眼で頷く。
「ほら」
「わーい、ありがとう」
昨夜21:00から居た分の三万を渡すと、心底嬉しそうに食いついた。
現金なヤツだ。
楽はパッと起き上がっていそいそと金を直しに行き、すぐに帰ってくる。
「朝ごはん、もう作ったの??俺、手伝う・・・?」
「いや、もう作った」
俺は返事をして机を指す。
作った、といってもただ食パンにバターを塗って焼いただけだ。
「いちごジャムは一応用意してるけど、好みでつけてくれればいい」
「そっか・・・終わったら俺、お皿洗うね」
「あぁ」
楽はにこにこといつもの笑顔を浮かべながら、食卓につく。
「・・・尼野くんってさぁ、案外告白とかされてる?ラブレターとか貰ってるでしょ♪」
対面で胡散臭い笑顔を向けられ、俺は苦い顔をしながら食パンを齧った。
「なんで」
何でそんなにピンポイントなんだよ。
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