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学校
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「・・・今日、学校は?」
尋ねると、楽は一瞬考えるような仕草をして答えた。
「ちゃんと行くよ、朝から」
「へぇ」
「授業はサボるけどね」
楽は片手をひらひらと振る。
「お前、なんのために学校行ってんの?」
俺はなんとなく尋ねる。責めちゃいない、疑問だっただけ。
「う~ん・・・行きたかった、から?」
「何で疑問形?」
「ぶっちゃけると、授業が受けたかったとか友達が欲しかったとか、そういうのはどうでもよかったんだよね」
「就職とか、進学が目的?」
「あはは、だとしたらサボりすぎでしょ」
確かに、ここまでサボってちゃ就職も進学もクソも無い。
俺は食パンをコーヒーで流しながら首を傾げる。
「俺、小学生の頃からズレてたみたいでさぁ、学校とか行っても同級生とか先生とかに一切興味も何もなくて」
「可愛くない子供だな」
「でしょ?」
苦笑しながら言う楽に、俺は肩を竦める。
喉を通り過ぎたコーヒーの苦さが口に残った。
「でも、中学卒業頃になってちょっと色々あってね。本当は学校に行けるお金なんて無かったんだけど、行かせてもらえることになったんだ」
楽は淡々と話す。相変わらずいちごジャムはボタボタと皿に落ちている。
「へぇ、援交相手のオッサンとかの支給??」
「やだなぁ、俺の客、そんな熱心なオッサンいないよ」
「そうか」
恋愛小説とかにあるお決まりの展開だと思ったんだけどな。
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