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声掛け
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尼野くんは気が付いているんだろうか。
俺について噂が流れたり、色々なことが出回ったりしてることはまぁ、まだどうでもいい。
けど、尼野くんまで巻き込んでしまったら不味い・・・猛烈に不味い。
尼野くんそういうの自体は気にしなさそうだけど、面倒事嫌いそうだし、俺が住むの許してくれなくなるかも。
「あの人の家に帰るのはちょっと・・・」
父親が死んでから、俺を数年預かってくれることになった人。
まぁ、監視カメラを貸してくれたり、高校に入れてくれたりと、めっちゃ俺のお願いきいてくれるんだけど・・・・・。悪い人じゃない。むしろ理解あるいい人なんだけど。
「苦手だなぁ」
俺には勿体ないし。
高校に着いた俺は、下駄箱で靴を履き替え教室まで上がる。教室では、監視カメラで見ていた二人がチラリとこちらを見て、すぐに視線を逸らした。
俺は席に鞄を置いて、すぐに屋上へと向かう準備をする。
寒いけど教室にいるよりは楽だし、監視も仮眠も、なんならおやつタイムも自由に取れる。
「おい」
「?」
え、今俺声掛けられた?
気のせいかと思いながら、俺は一応くるりと二人の方を向く。
尼野くん・・・の声じゃなかったから、多分りんちゃんの方。
「今日早くね?もう屋上行くのかよ?」
「うん、君も来る?」
攻撃的な接し方じゃない。どっちかというと好意的な接し方だ。
「いや、行かないけど」
「そう、じゃあ行くね」
「あぁ」
にこりと笑ってりんちゃんに手を振って、俺は教室を出る。
吃驚したけど、多分、教室に尼野くんと俺意外の人がいなかったからだろう。あと5~10分もしたら一気に教室に人が入ってくるくらいの時間帯になるし、もしそのくらいの時間帯に俺が来てたら、声はかけていなかったと思う。
「問題児の情報、無性に集めたがる子っているよねぇ・・・」
気を付けないとなぁ。と思いながら、俺はまったりと屋上に向かった。
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