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監視
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楽side
ぽいーんという、ヘンテコな音に俺は浅い昼寝から目を覚ます。
いつもはこんな時間にLINEなんて来ないんだけど、なんなんだろう。
屋上から見る校舎の様子からして、昼休みだろうか。
若干寝ぼけながらLINEを見ると、尼野くんからだった。
内容は、【凛がお前のことを恋愛対象として好きらしい。凛の学校での様子をできるだけ観察、盗聴しといてくれ】というもの。
『え、りんちゃん俺の事好きなの?』
それにも驚いたけど、淡々と友人の監視をお願いしてくる尼野くんにも驚いた。
元々、凛ちゃんに尼野くんとの同棲の件を知られたくなかったから、俺も俺で少し気を付けようと思っていたところだ。これはこれで、丁度いいのかもしれない。
既読を付けると、【凛が恋愛相談した生徒のざっとした人数と、誰にしたのかが分かればそれでいい】と続けてくる。
『尼野くん・・・恐ろしい子・・・・』
欠伸をしながら監視カメラの様子をiPhoneで確認すると、校舎裏のカメラに、尼野くん、りんちゃん、一樹くんの3人が映っていた。
ここで俺は尼野くんに【りょーかい】とLINEを返す。
『尼野くんも、りんちゃんも趣味が悪いなぁ・・・・』
俺は苦笑して、解散してそれぞれ行動する3人の様子を見た後、りんちゃんにのみ視点を当てる。
りんちゃんは人好きでコミュニケーション能力が高い。だから、昼休みには色々な人と会話をする。
『恋愛相談なんて、そんなにしないでしょ・・・』
考えながらiPhoneの画面を見ていると、さっそくりんちゃんが隣のクラスの人間数人と絡んで、人気の少ない場所に行くのが見える。
『ありゃりゃ・・・こりゃ口が軽いな』
周辺の補聴器の音声を聞きながら、俺は何とも言えない気持ちになる。
そういうのを隠せない人間なんだろう。
悪いとは思わないけど、今の俺には都合が悪い。
尼野くんの家という快適空間を維持するためには、申し訳ないけど、監視させてもらう。
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