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お弁当
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昼休みと放課後の短時間でりんちゃんが相談を持ち掛けた人数は、全員で8人。尼野くんと、一樹君を抜いて6人だった。
『2人は隣のクラス、3人が先輩、1人は後輩かな・・・』
それぞれ覚えた顔を頼りに、下駄箱で靴を履き替える様子を監視カメラで監視し、その下駄箱から出席番号を確認する。
『隣のクラスの10番、21番。1組の先輩が3番、9番、23番。2組の後輩が14番』
尼野くんのLINEに情報を送信しつつ、りんちゃんが尼野くんと一樹くんと帰る様子を確認する。
『時間、少しずらして帰らないと・・・』
りんちゃんが帰るなら、監視はここまでだ。
俺はグッと軋んだ身体を伸ばして、屋上から教室に戻る。
教室に人はもういなかった。
『うわ、そういえば尼野くんのお弁当食べてない』
俺は鞄を空けて、ぎょっとする。
りんちゃんの監視ですっかり忘れていた。
「・・・・」
食べるか、食べないか。
俺は少し考えた後、机に座って結局弁当を開く。
『だめだこれ・・にやける』
ぶっちゃけ人生初の弁当。
嬉しくないわけがない。
誰かに頼むにも頼めなかったし、頼む人がいないのなら、別に必要も無いと思っていた。
『うま・・・』
別段美味しいものだったわけじゃない。けど、なんとなくむず痒くてやっぱりにやけてしまった。
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