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天然
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「わーい」
俺は子供か何かだと思われてるんだろうか。
でも、なんだろ。あったかい。
俺はソファから起き上がり、ホクホクしながら尼野くんにくっつく。
「なんで急にプリン?」
「凛が延々とプリンの話してくるから、食べたくなった」
尼野くんは淡々と話しながら、俺を引きはがし、夕飯の支度を始めた。
「へぇ」
俺は相槌をうちながら、ついて行って手伝う。
今日はどうやらカレーらしい。サラダを盛りつけながら、俺はくすりと笑う。
「自分だけ買ってきてもよかったんじゃない?」
「・・・確かに」
尼野くんは真顔のまま、ハッとしてそう言った。
天然なところがあるんだなぁ・・・。
「・・・・嘘、一緒に食べたかったから、買ってきた」
尼野くんは野菜の皮むきをしながら、そういう。
「・・・口説こうとしてる?」
俺は尋ねる。
「いいや、別に」
尼野くんがあまりにも無表情で淡々と言うので、俺は悶々とする。
不器用だなぁ、可愛いなぁ。
こういうのは言われ慣れてないから、少し照れてしまう。
作り終えた夕食を食卓に並べて、席に着くと食欲がそそられる。
「いただきます」
野菜ごろごろの家庭のカレーは、宿泊学習以来だ。
一口食べると、懐かしい味がした。
「お前さ、机の紙・・・あれ、何?」
尼野くんはテレビをつけながら、尋ねる。
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