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八つ当たり
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俺は頷いて、答える。
「・・・っむかつく」
彩ちゃんは小さな声でそう言う。
「遅刻ばっかり、授業出ないし、何のために学校来てんの?そんな奴が凛の告白断って良いと思ってるわけ??」
彩ちゃんはそう言って、俺を睨み付ける。
俺はなんとなく、察した。
『あぁ、この子・・・イライラぶつけたいだけだなぁ』
覚えがある。主に父親で。
怒られてると怖いから、縮こまって自分が悪いと思いがちだけど・・・ちゃんと聞いたらただの八つ当たりだ。
遅刻も、授業に出ないのも、確かに俺は悪い。けどそれと凛ちゃんの件は別の件だ。
『こういう子は、気づいたら論点をずらしちゃうんだよね』
俺はにっこりしたまま、考える。
どうやって切り抜けようかな・・・。
多分、俺が何を言っても違う難癖をつけてくるのは見え見えだ。
かといって、ただの八つ当たりですよねなんて言おうものなら向きになって逆に面倒くさくなりそう。
「・・・・ごめんね、全部俺が悪いね、俺、小さい頃からそういうの鈍くて」
俺はとりあえず適当に謝る。
「話したいこと、まだある?」
それから尋ねる。
「話し・・・っ、べ、つにないけど」
彩ちゃんは何かを言おうとしたけど、口ごもる。
やっぱりただの八つ当たりだったんだろう。
話したい、というよりは当たりたいだけだから、話したい内容を聞かれると答えずらいらしい。
「あんたそういえば、昨日の授業も出なかったよね?バカにそういうこと
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