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依頼
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静夏side
放課後、俺はすぐに重(かさね)の家に向かった。
「処理して欲しい剥製がある」
要件はそれだけ。
俺は重の家の冷蔵庫を勝手に開けて、缶コーヒーを飲む。
「はぁ・・・」
重は少し間を置いた後、低いかすれた声でそう返事をした。
どうやら寝起きらしい。昨夜仕事だったからだろう・・・俺も学校なんてサボって寝ればよかった。
「剥製って・・・何、勝手に殺したのか?新しく作った?」
重はボリボリと頭をかきながら、俺にコーヒーをよこせとジェスチャーする。
俺は渋々、自身の飲みかけのコーヒーを手渡した。
「お前に雇われてからは、勝手に殺したこと無いだろ・・・最初の死体、剥製にしたやつ」
俺は重に手短に言う。
重は察したように眉を上げると、驚いたようにこちらを見た。
「いいのか?あれ、お前の安定剤みたいなもんだろ」
重はきょとんとして尋ねる。
「もういらない」
俺はそう言って首を横に振った。
「・・・よっぽど、あの白い子にご執心らしいな」
重はニタニタしながら、一口飲んだコーヒーを俺にまた返す。
「別に」
俺はニタニタしている重に腹が立って、そう答える。
「生きてる世界が違うだろうに、若いねえ」
重は茶化すように言う。
実際には、その通りだ。重は割り切って、もう裏の人間としか関わっていない。
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