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《君の声で僕を呼んで》11
走って零と合流して、
止まらない涙を手で拭って、此舞と行人に慰められながら微が来るのを待った。
「空ちゃん…みんな…!」
「微、小春ちゃん、こっち!早く!!」
走ってきた微とそのパートナーの小春ちゃんの後から鬼人が追いかけてきていては此舞珍しく声を荒らげた。
小春ちゃんも必死に走っていたけど女の子で、なによりまともな走り方なんて知らないから体力配分ができない。
そして小春ちゃんは鬼人に捕まった
「小春ちゃん!!!ごめん空ちゃん、僕行ってくる!」
そう言って微は小春ちゃんの後を追った。
俺も追いかけようとしたけど此舞と行人、零は先を急ぐと言って聞かなかった。
「だめだ、微を置いていったらなにも何も残らなくなる…!」
俺はわがままを言いながらここで待つと言ってきかなかった。
何時間経ったのかはわからない。
体感的には1時間、いや2時間は待ったような気もする。
そして
微が小春ちゃんの手を引っ張って俺らの方へ向かってきていた。
「空ちゃん!零ちゃん…!」
微の手を握れるくらいの距離になった頃
鬼人が微と小春ちゃんに向かって銃を発砲した。
小春ちゃんは3発ほど当てられて倒れたままぐったりと動かなくなった。
そして微も脇腹を撃ち抜かれてダラダラと血を流していた。
「っつ…微!!!」
鬼人はもうそこまで来ていた。
俺は慌てて微を抱きあげて逃げよう、と此舞達に話した。
「小春ちゃんは置いていく、空は微を背負って走れるね?小春ちゃんは…きっともう亡くなってる。」
どこまでも冷静な此舞と零がその場で指示してくれて、俺は微を背負って一生懸命走った。
鬼人は後ろで小春ちゃんの遺体に性行為をしてて吐き気がした。
全力で走って、初めてこの施設のドアを開ける。
生まれて初めて見た空は
憎いくらいの快晴だった
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