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夢の中
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「はい、15時だよ。家にお帰り」
そう言われて時計を見ると針がもう3を指していた。…相変わらず早いなぁ、時が経つの。
ずーっとゲームやら漫画やら、話したりとか寝てたりとか、そーんな緩いことしてたらもうこんな時間か。
「はい、ではまた来ますね」
「今度は友達とどっか行きなさいね。」
「出来れば、ですけどね。」
そんな他愛もない会話をして米崎さんの家を出て、すぐに自分の家に入る。なーんもない、灰色の空間。面白くも楽しくもない家。早く出たいなーとか思うけど、まだ高校生だし、大学になったらこの家を出てどっかいくつもり。別に次ぐ稼業もないし。
ベッドに寝て天井をじーっと見る。
時計の針の音しか聞こえない。
静か。
夢を見た。
なんか、泣いてる声が、聞こえて。
泣き声を抑えるような、そんな感じ。
真っ暗闇の中に、ポツン、と白い服着てうずくまっている、髪の短い人の姿。
近寄って見ると、男だった。
「なんで泣いてるんですか?」
なんて、声をかけてみる。
「それは、答えられない。」
「かっこ悪いから?」
「そうかもね。だから、答えられない。」
どこかで聞いたことのあるような声だった。
その男はふと顔を上げてこちらを見た。
儚げそうな米崎さん。
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