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莉緒さんはだあれ。
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どんな人だったんだろう、莉緒さん。
ぐるぐる考えても答えは出なくて。やっぱり、莉緒ちゃん、ってお姉さんが言うくらいだし、恋人なんだろうか。大丈夫ってことは、病気か何か?ぐるぐる回る考え。
19時。やっぱり気になって隣の家のインターホンを鳴らした。トタトタ聞こえてガチャっと。
「どうしたの、こんな時間に」
「あ、えと…中、入っても…」
この前のことを思い出して、少し怖くなる。今回は、駄目って言われたらすぐ引き下がらないと。と思って許可なしには家には上がらない。
「珍しいね…いいよ」
優しい声。聞くだけで、やっぱり胸はきゅう、と締め付けられて。聞いていたいな、と思う。
「おじゃま、します…」
でも、なんて聞けば…いいんだろう。莉緒さんって誰ですかって聞いてもいいのか…。それとも、関係ない話から?ううう、と思わず唸る。
「座んなよ」
と言われて座らされる。気持ちの整理がついていない。なんて聞いて良いのかもわからない。オブラート?包むべき?
「あの、こんなこと、聞かれるの、嫌かもしれませんけど…、あの、えと、米崎さん……莉緒さんって、誰…ですか…」
座らずに、一言一言選んで口から出した。ポツリポツリ、と。米崎さんは少し黙って視線が下に向く。
「…それ、君に関係、あるかな?」
この人から発せられた二度目のお前に関係ない、のサイン。怖い、し、関係ないの、わかってる。けど、やっぱり知っていたくて。好きな人のことは、知っていたくて。
「…だって俺、は米崎さん…のこと………す、」
「す?」
「す………す、す、す、すす、すき…、だから、知りたい…んれす…けど、だ、駄目れすか…」
ろ、ろれつが回らない。恥ずかしさと緊張で頭グワングワンする。顔から湯気が出そうなくらい。
ちら、と米崎さんの方を見ると吃驚したのか、目を少し見開いていて。
「……えと、あー…その、御免」
俺の好きな声が、俺の感情を拒絶。それだけで、涙がポロポロでそうになった。苦しい。わかってた、最初っから、駄目だって。
「莉緒…は、俺の、元なのかな、彼女で。」
米崎さんの口から、過去の話がポツ、ポツ、ポツ、と話された。
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