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え、何、超能力?
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「湖太郎〜…、元気出せー、生きてる?」
午後の授業の合間の五分休み、机に突っ伏した俺に大翔は能天気な声でペシペシたたいてくる。
「生きてる生きてる〜」
「ならよか。湖太郎の中で今日の雛川どーよ」
ピシ、と脳に亀裂が入る感覚。
多分常人には理解ができない感覚。
いや、俺も常人だけど。
っつか別に前に聞かないって言った…。あれ …
「おま…今…え……大翔…え…」
「ははっ、湖太郎口あんぐり〜」
「いや、大翔本気でお前怖ぇよ。」
思わず真面目に真顔で返してしまう。
え、普通怖くない?え、だって俺なんも言ってないんだよ?
「ふふ、俺って起こった事はなんでも分かっちゃいますから。」
なんて笑顔で言っております大翔くん。
わあ、がちですかあ……。
「いやまあそれ信じるとしてさ。じゃあ実際、大翔はどう思うよ。」
「んー…雛川がお前の事好きだってのは中学ん時から知ってたからまあ俺の大切な湖太郎ちゃん預けて安心だけど……、米崎さん、得体しれないよね〜あはは〜」
なんかもう色々怖くて口をつぐんだ。得体しれないのはもはやどこの誰………。あはは〜なんて能天気に笑ってるけど、俺は事情を知ってることに驚きしか感じないわ。
……まあそれもこれも、全部飲み込もう…。
大翔は、変わったやつではあるけど、誰かを傷つけようとするやつでも、搾取してやろうって言うやつでもないのは、知ってるんだし。
「でもさ、湖太郎。どっちも選ばないのも、どっちか選ぶのも、…お前が、幸せになれるようにね。難しいのはわかってるけど……俺は、湖太郎が傷つくの、嫌だからさ。」
「…そう、する。ありがとう、大翔。」
最後の言葉は、ズシン、と心に重く残った。
幸せになれる、ように。
俺は、…どうすることが、幸せなんだろう。
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