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久坂さんは、悲しそうな、驚いたような、なんとも形容しがたい顔をしていた。
いや、綺麗なのは変わらないんだけれど。
「………明日、俺の高校来てください。場所はええと、ここですから」
とグーグ◯マップを開きながら教える。
知ってしまったものを、教えないなんて、俺にはできない。例えそれが、俺の恋心をさらに痛めつけるものであっても。
…米崎さんには幸せであってほしいのだと、素直にそう思った。
久坂さんの御両親のせいで、2人は別れた。
きっと、会いたいのは、久坂さんも一緒で。
彼女は、ありがとう、と言って綺麗に俺に微笑んで。これで、いいんだと自分に言い聞かせた。
「…こーちゃん、何で教えちゃったの」
隣で凛子の不服顔。
「見て見ぬ振りはできないし、別に悪いことしたんじゃないじゃん俺」
「…私は、こーちゃんが苦しいの見るの嫌なの。」
そういうと凛子は道に転がっていた小石を蹴飛ばして、だらだら歩いた。
「ありがとう、けどいいんだ」
そう、きっとこれでいい。
明日、2人はきっとまた。
そう感じた。
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