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自然体
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おはようございます、やっと土曜の朝。
今日午前だけ学校行けば明日は休み。
ふふふ、と1人で微笑む。
まあ、日曜日なんも予定ないんだけど。
「じゃ、行ってきます」
と誰もいない家に向かって言葉を発する。
「…あの、桐谷くん」
ドアを開けて早々ばったり。いつもはこの時間に出る人じゃないのに、米崎さん。
なんかもう気持ちがスカッとして、まあ少し心は痛むけどいいことしたんだし、悲しむことじゃないって。
「米崎さんおはようございます。あ、一緒に行きます?」
なんて。
もう苦しい悲しい通り越して気分はさっぱり。
というより、朝は比較的に悲観的じゃなくて。
「ああ、まあ……そうだね」
俺の対応の違いに何やら違和感を覚えたのか頭にはてなを浮かべてるけどそれでもすっきりしたようなお顔の米崎さん。
一緒に歩いて、いろいろその後のことを話してくれた。久坂さんが米崎さんと連絡を取りたがってくれていたこと、久坂さんが俺と出会った経緯を話してくれたこと、…久坂さんとまた復縁できたこと。
久坂さんの話をする米崎さんはいつになく優しそうな表情を見せる。
なんだかそれでもういいや、と思えた。
好きな人の幸せが一番だよね、と。自然体で話せたことが、俺も嬉しかった。どんなにあがいても、俺には米崎さんにこんな表情させられないから。
これから米崎さんをからかってやろう、なんて少し思いながら、学校の前で離れた。
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