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「空くん、空くん大丈夫!?ゆっくり息して、あぁもう!高見先生水持ってきてください!」
「あ、あぁ」
高見先生が保健室から出ていく
ヒュー、ヒューと浅い息が聞こえる
あぁ、これ自分の音か…
いつも穏やかな伊藤先生がすごい焦ってて、なんかちょっと笑える
「だ、いじょうぶです…大丈夫ですから」
口元が見えてるのか分からないけれど安心させるために微笑んでみた
涙で霞んだ視界に映るのは必死に海に縋り付いて涙を流しながら名前を呼び続ける母さんと、泣きそうな顔の伊藤先生
母さん、そんなに呼ぶとせっかく落ち着いて寝てるのに海が起きちゃうよ
伊藤先生はどうしてそんな顔をしているの?
頭に言葉は浮かぶのに未だヒリヒリする喉から、音として発されることはなかった
「あれ…母さん?」
ほら、海が起きてしまった
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