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「よし、海、忘れ物はない?薬ちゃんとポケットに入ってる?」
「入ってるよ、他は空が用意してくれたんだから大丈夫」
「そんなに信用されるとなんか怖いなぁ、何か忘れてたらごめんね」
「気にしないで」
海は忘れても貸してくれる人がいるんだろうな
「じゃあ行こうか」
「うん、今日もよろしく」
海が車椅子に座り、僕がゆっくり押して駐車場まで来る
「いつもすみません、今日もよろしくお願いします、滝沢さん」
いつもの挨拶をすると運転手の滝沢さんは静かに微笑んだ
この人は何年も前から羽根田に仕えてる大ベテラン
毎日の送り迎えは滝沢さんがやってくれている
「今日は何があるかな、海」
「そうだねぇ、空が髪を切ったからきっと楽しい何かがあるよ」
「どうだろうね」
「きっと、あるよ」
確信めいたその言葉を、
海の全く知らないところで裏切られるのは
ほんの少しだけ後の話
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