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……?
こえが、する
「くん!…ら…!」
なんて言ってるの?
ごめんなさい、聞こえなくて
「おきて、空くん!!!」
一際大きな声で名前を呼ばれて、目を開けた
まぶしいほどの白
と
今にも泣きそうな伊藤先生の顔
「なんて、顔してるんですか、せんせい」
あぁ、酷い声だな
「よ、かった…目覚まさないかと思った…」
「そんなわけないじゃないですか
…今何時ですか?」
「今は夜の10時だよ」
10時…夜の
夜の?
「夜の、10時ですか」
「そう、夜の、10時」
「…帰らないと」
連絡もなしに夜の10時
海がしっかり帰れてたらいいけど…
急いで帰り支度をすると慌てて伊藤先生が止めてきた
「どうして止めるんですか、こんな時間までご迷惑お掛けしてすみませんでした、でも、帰らないと」
「大丈夫だから、大丈夫、ね?空くん」
「大丈夫…なにが、どう、大丈夫なんですか」
大丈夫って、こんな不確かな言葉だったんだ
言われたら逆に不安になるような
そんな言葉だったんだ
言われて初めて知った
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