アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
(46)
-
「空くん、携帯鳴ってるよ」
渡されたスマホの画面には母さんの文字
「もしもし、空です」
「あ、空!?海だよ」
「…うみ?どうしたの?」
てっきり母さんだと思って電話に出たからつい硬くなってしまった
海を怖がらせてないといいけど
「どうしたのって、空が体調崩したら僕が面倒見るって約束したじゃん!
なのに本当に帰ってこないからさ、心配したんだよ」
「そっか、海は優しいね
僕は大丈夫だよ、約束守れなくてごめん
でも海にうつしちゃったら、もしこじらせちゃったら大変だから
ごめんね」
「全然、早くよくなって帰ってきてね」
「うん、分かってる
それより海、自分の携帯は?」
「僕が空に連絡取ろうとするからって、取り上げられちゃった
今母さんがお風呂入ってるから、こっそりね」
海だから、バレたら…なんて考える必要ないんだろう
母さんが海を怒鳴るなんて考えられないし
「そっか、バレちゃわないようにね、ありがとう」
「うん!おやすみ、空」
「おやすみ、海」
今日は、家に帰らなくていいんだ
海の世話もせずに、寝ていいんだ
そう思うと身体から全ての力が抜けるような感覚がして、そのまま地の深くまで落ちていったように感じた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 239