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「まあとりあえず、同室者のことから話すか」
「同室者は居ないんじゃないんですか?」
「今は、だな
明日この学校に編入生が来ることになってる
そいつがお前の同室者だ」
「明日ですか」
「お前全然驚かねぇのな」
これでも結構驚いてるつもりなんだけど
顔には出ないみたいだ
明日か…
どんな人が来るんだろう
編入だったら相手もすごい緊張してるんだろうな
仲良く、出来るだろうか
「不安だろうけど、空くんはいい子だから
そのままの空くんで居ればきっと仲良くなれるよ」
そんなことを言ってもらえると嬉しい
初めて自分が自分として認められた気分になる
ちょっと泣きそうになった…んだけども
「伊藤先生、口にお菓子のカスすごい付いてますよ」
そのせいで台無しだ
「うっわお前きったね」
「うそでしょ!?カッコつかないなぁもう」
「あはは、伊藤先生はそのままでいいですよ」
声を出して笑ったのなんて何年ぶりだろうか
伊藤先生と高見先生は少し目を見張って、でも僕に合わせて一緒に笑ってくれた
高校生活って、本当はこんなに穏やかなものだったんだろうか
今は相手が先生だから、まだ普通とまでは言えないかもしれないけれど
いつか、僕にも僕だけの友達ができて
こうやって穏やかな時間過ごせたらいいな、と思った
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