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「それは、どうして…?
皆ってどういうこと?」
思わず口走ってしまったことは後になってしまうと消せなくて
せっかく仲良くなれそうだったのに
でも、真実を知ってもらった方がいいのか
僕が汚くて、皆に嫌われていて、僕といれば律まで変に見られてしまうこと
早めに知っておいてもらわないと
なにか被害が起きてからじゃ遅いから
「僕はね…とっても汚いんだ
海はとってもとっても綺麗、皆から好かれてるし必要とされてる
勉強もできて愛想も良くて優しくて人を思いやる心がある」
「海くんのことはもうわかったよ、空は?
どうして空は嫌われているの?」
「律、なんだか少し怒ってる?」
さっきよりも早口になってるし目も鋭い
何よりさっきまで纏っていた優しさのオーラが少し黒く澱んでいる気がする
「怒ってるよ
俺は今日初めて空と会って初めて話してみて、空は嫌われるような人間じゃないって知ってるから
今思えば、空を見つけた現場だっておかしかった
確かに理事長から恋愛対象が同性に向くことが多い
他の学校とは少し違うよって説明を受けたけど、空のは少し違う気がした
そもそも、レイプなんて立派な犯罪だ
それがまかり通ってるこの学園がおかしい」
凄いな、律は
あの一瞬でそこまで感じ取ってしまうんだ
鋭い
だけど、ひとつ間違ってる
僕は皆から嫌われるような人間だよ
海の世話をしなくていいと思った時、開放感で満たされてしまった
海のもとに帰りたくないと思ってしまった
海が襲われた時、海が見つかったならそれでいいって思ってしまった自分がいた
僕は汚い
こうやって挙げていくと
僕はとことん好かれない人間みたいだ
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