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僕と律の部屋は着々と完成に近づいてきている
僕が退院してから1ヶ月が過ぎた
僕はまだ普通の生活以外のことは禁止されているし、授業に出ると何があるかわからないから完治するまでそれも禁止された
僕は怪我が完全に治るまで、律は夏休みが明けるまで
僕達2人はできた時間を最大限に利用して部屋の大改造を進めていたのだ
リビングには2組の小さいダイニングテーブルを置いて、僕がご飯を作って朝昼晩の3食を律と共にしている
部屋が狭く感じてしまうから小さいものだけどテレビも置いた
その前にネイビーの円形ラグをひいてガラスのローテーブルと白いふかふかのソファを設置
そこは僕と律のくつろぎスペースになっている
お昼ご飯をそこで取ることも少なくなかった
律は自室もなんだかんだ買い足して拘っているみたいだけど、僕の部屋は初期のまま
律が
自分の部屋終わったら僕の部屋も改造してやる
と言っていたのを思い出して笑いがこみ上げた
2人とも自室にいることは少なくて、いつもリビングでくだらないことを話したり映画を見たりぼーっとしたり
高見先生が授業の様子を動画で見れるようにしてくれたから律に教えてもらいながら授業を受けたり
とにかく穏やかな時間を過ごした
海もうまくやっているみたいで、母さんからも父さんからも連絡はない
海からはたまに電話だったりメールだったりがきて寮のことだとかを話した
海の話もたくさん聞いた
もちろん、同室者のことも聞かれたけど
何故だか素直に"友達になった"とは言えなかった
咄嗟に"あまり喋らない、ちょっと残念"と言ってしまったのだ
あの時、どうして嘘をついたんだろう
僕はその理由を初めから分かっていたけど、認めたくなくて分からないフリをしていた
だって、
もし、律が海と話すようになったら、海が律に興味を持ったら、僕は1人になるかもしれない
それは嫌だ
なんて考えてる独占欲が溢れた思考を認めたくなかった
いつから僕はこんなに欲張りになったんだろう…
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