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「女の子と関われなくなって、友人である男をそういう対象に見て
自分が本当に分からなくなった、凄く悪いことをしてる気分だった
一時期凄く荒れた時もあった
親父にどうにかしてもらえたから大丈夫だったけど下手したら警察沙汰になっただろう時もあった
その時に、親父にすっごい怒られたんだ
もちろん、何でこんなことしたんだ、って問い詰められた
俺は今まで誰にも話せなくて溜まっていた悩みを、素直に打ち明けた
これはもう言うしかないなってくらい親父が怒ってたからね
じゃあ、また怒られた
なんで言わなかったんだ、なんで1人で溜め込んだんだって
それから、親父は泣いて俺に謝った
気づけなくてごめんって
そのとき、初めて心から満たされた気がしたんだ
喧嘩をしても、自分の好きなことだけをして日々を過ごしても、何をしても満たされなかった心が、あったかくなった」
律の話は律が好きだと気づいたばかりの僕にとっては心臓が締め付けられるような思いだった
僕は律が先に男が好きだとカミングアウトしてくれたから、男を好きになってしまったことに悩むこともなかった
ただ、単純に律が好きだと思えた
でも、律はどうだっただろう
誰にも言えずに、友達にも悪いことをしてる気分になって、下手に人に関われなくなって
辛かっただろう、苦しかっただろうって
何故か僕が苦しくなってしまう
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