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「兄貴にもこっぴどく叱られたし、気づけなかったことに兄貴もまた謝った
母親はもう、号泣で
ただただ強く抱き締めてくれた
俺の家族が特殊だっただけで、あんなふうに受け入れてくれるような人はまだ少ないと思う
でも、俺は空に俺を知っててほしかったんだ」
ずっと空だったり地面だったりあちこちに移動していた律の視線が、僕にまっすぐ向けられた
「空は、こんな俺を知っても一緒にいてくれる?」
最近になってやっと見慣れた律の引き込まれそうな瞳についつい見入っていたとき、掛けられた問いに慌てて頷く
「もちろん」
律がもし僕の気持ちに気づいてしまったとき
律は僕の隣から離れていってしまうんだろうか
さっき律が言っていた悪いことをしている気分、というのを今身に染みて味わっている
こんな気持ちを持ってしまってごめん
話しにくいことまで僕に話してくれるほど信頼してくれているのだろう
そんな律の純粋な気持ちを裏切ってしまっているようで
「よかった…空、これからもそばに居てね」
嫌な痛さが心に走った
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