アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
(106)
-
「空!夏休みだよ、どこ行く?」
終業式は体育館の2階から参加して、皆がはけた後に戻ってきた
それだけでも少し気疲れした僕は、部屋に入る途端テンションが上がりきった律に少し圧倒されてしまう
「そ、そうだね
律は夏休み中ここにいるんだよね」
「うん!帰って会いたい人も居ないしね
空は帰るの?」
「ううん、多分帰らないかな」
「そか、じゃあいつでも遊びに行けるね」
律のその言葉で思い出したことがあった
僕は、お金を持っていなかった
今までは海のことで必要な分だけ母さんから貰っていて、それで困ったこともなければ余ったことも足りなかったこともなかった
そうやって本当にぴったりの分だけ渡す母さんを少し尊敬していたくらいだ
遊びに行く、となればそれなりにお金がいるし…
どうしよう
「空?なんか難しい顔してる
どうしたの?」
「あ、う、ううん、なんでもない」
律に言えば絶対に全部出すって言ってくれる
そんなの申し訳ないし、どうせなら自分のお金で精一杯楽しみたい
働くしかないのは分かってる
でもこの閉鎖的な学園で街まで降りてバイトに行くのは正直骨が折れる
夏休み中に遊べるだけのお金を稼ぐならきっとそれなりにつめつめにしないと無理だし…
「ごめんね律、とりあえず8月にならないと行けないかも」
「うん!いいよ、8月の方がいろんなイベントあるしね
街の方で8月の前半に花火大会があるらしいんだ
初めてのデートはそれにしよう」
「デ、デート!?」
「あれ、違うの?2人で遊ぶんだからデートでいいでしょ」
「それは根本から違う気がする…」
「いいから!とりあえず難しいことは考えないで、色々計画立てよう」
「うん!」
花火大会か…
僕は行ったことがないそれと、デートという響きに心を踊らせた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
108 / 239