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あれから夏祭りはこうでどうだっていう律のレクチャーが始まり、時間があっという間に過ぎて気づけば2時をすぎたところだった
「よし、そろそろ準備しよっか」
「そうだね、律から着る?」
「うん!じゃあ、よろしく」
律の浴衣は黒だった
下にいくにつれて白色になっている
今思ったけどこれ、僕のと色違いだ
一気に恥ずかしくなった
「空?早く早く!」
「あ、うん!」
僕が浴衣を持って近づくと、律は着ていたTシャツとチノパンを脱ぎ捨てた
ゴリゴリってほどでもないけどちょうど良く均等についた筋肉はとても綺麗だと思った
腹筋とか綺麗に6つに割れてるし…
とにかく目に毒で、さっさと着せてしまおうと浴衣を羽織らせようとしても、身長が足りず奮闘している間に張り付いているような体制になってしまった
律の心音と体温がダイレクトに伝わってきて、恥ずかしいけど、落ち着くような、変な感覚に陥ったときに律の笑い声が聞こえた
「ごめんごめん、身長的に無理だろうと思ったけど頑張ってるのが可愛くて意地悪した
はい、よろしく」
僕がやりやすいようにしゃがんでくれたので、浴衣を羽織らせてまず前を合わせる
背中の中心がズレないように気をつけながら、合わせた部分が喉仏にくるように
そしてまずは腰紐
前から後ろに回してもう1回前に戻して
「苦しくない?」
「うん」
腰紐用のなんだか小難しい結び方をして、最後に帯
律のご両親が用意してくれたのは僕のも律のも同じ少しくすんだ白に深緑のラインが入った麻の角帯
くずれにくいようにしっかり結べば、完成
「よし、完成…かな」
さすが両親が選んだだけあって、サイズも柄も律にぴったりだった
いつもより少し大人びているのに、表情はまるで子供で
かっこよくてかわいくて、ずるい
「すごい真剣だったね、空」
「そりゃあ…せっかく律のご両親が送ってきてくれたんだからかっこよく着ないと、ね」
「空、途中途中俺に抱きつくような体制になってたの気づいてないでしょ」
「ばっ…!かじゃないの…」
気づいてたよ、気づくに決まってるじゃん
どれだけ緊張したか律は分かってない
心臓の音、聞こえちゃうんじゃないかと思った
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