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「あ、空!良かった、いきなり出ていくもんだから追いかけようかと思ったのに、空は来ないでって言うし」
「え、僕そんなこと言った…?」
「うん、実は結構傷ついた」
「ごめん…そんなつもり全然なかった」
「ううん、いいよ
心配したけど、無事に戻ってきてくれたし
どうしたの?急に、顔色変えて、飛び出したりして」
「あ、母さんから電話で
携帯になかなか出なかったから寮監のとこまで電話したらしくて、ほら時間も早いから申し訳なくて」
「空のお母さん心配性だねぇ、なんの用事だったのかって聞いてもいいの?」
そうだった、明後日にはここをしばらく離れるんだ
こんな風に律と話せるのも明後日まで、次はいつになるか分からない
「うん、明後日から帰省することになった」
「…また、急だね、残念」
「帰ってきたらまたどこか行こう」
「いつ帰ってくる?」
「…わかんない」
「そか」
なんとなく、落ち込んだ空気ができてしまう
空気を変えたくて、必死に話題を探す
視線をキョロキョロと動かしていると、シンとした空気に似合わない僕の携帯の着信音が響いた
「あ、そうだ、空出てから何回か鳴ってた」
「ほんとに?誰だろ」
画面を見れば'海'の文字
「海…」
久しぶりに口にしたその響きに僕は頬が緩むのを感じた
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話の都合上噛み合わない点がありましたので(129)を少し訂正させて頂きました
そのまま読み進めていただいても大丈夫ですが、あれ?と思われた方は御手数ですが(129)を再度読んでいただくことをお勧めします
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