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「海?誰?」
「あぁ、この前言ってた双子の弟、ごめんちょっと出るね」
一言断ってから電話に出る
「久しぶり、海」
『ほんとに久しぶりだね空!』
「海は今日も元気そうだね」
『うん!当たり前だよ、でも、ちょっと空にとっては良くない報せがあって、電話した』
「…なに?」
『空はもう寮で楽しんでるだろうし家とか僕にもあんまり関わらない方がいいと思って連絡もしてなかったんだけどさ、』
「そんなことないよ、海のことは心配だった、でも足ももう大丈夫そうだね」
『うん!ありがと、まあそれはとりあえず置いといてね、明後日、空こっちに来なきゃいけなくなっちゃった』
「あ、なんだそのこと?
今朝母さんから電話で聞いたよ」
『あ、そうなの?
空にとったら嫌だと思うけど、久しぶりに会えるの楽しみにしてる』
「ふふ、僕も、楽しみだよ」
『ほんと?じゃあまた、明後日ね!』
「ん、じゃあね」
電話を切って顔を上げると優しく微笑んでいる律と目が合った
「…なに」
ずっとみてたのかと恥ずかしくなって素っ気なくなった
「いや、仲良いんだなと思って、怒るなよ」
「怒ってない」
「久しぶりなんだったら、あまりこんなこと言わない方がいいと思ったけど…早く帰ってきてね」
「…うん」
少し寂しそうな顔をして律が微笑むから、その頭に精一杯手を伸ばして触り心地のいい無駄にサラサラとした髪をわしゃわしゃとかき混ぜた
「すぐ帰ってくるから」
「ん、待ってる」
腕、ギリギリ届いてよかったね
という律の嫌味は聞かなかったことにして、僕は帰省の準備を始めた
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