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目が覚めた途端に気づいた
僕、保健室にいる
おでこに冷えピタが貼ってあって、机にはポカリが置いていた
久しぶりって程でもないけど、保健室の薬剤の匂いが少し落ち着くようになっていた
ヒンヤリとした床に裸足で足をついた
窓際に歩いていくと、外は暗くなっていた
「空くん!」
いきなりカーテンが開かれて驚いたけど、懐かしいその声に頬が緩んだ
「伊藤先生、お久しぶりです」
「具合はどう?」
「大丈夫です、ご迷惑おかけしました」
「ううん、全然、これが俺の仕事だからね
昼休みに突然吐いた人がいるって連絡入ってね、まさか海くんだとは思わなかった
熱もあるみたいだし、具合悪かったら無理しちゃダメだよ」
「あ…すみません、片付けさせてしまって
大丈夫です」
「また…大丈夫ってよく言うようになってる」
伊藤先生が最後に何か言っていた気がしたけど、声が小さくて聞き取れなかった
外は暗い、今何時かも分からないけど、早く帰らないと迅がどうなるか分からない
「すみません、すぐに帰ります、お世話になりました」
辺りを見回してもお弁当箱が置いてあるだけで僕の荷物は見当たらなかった
恐らく教室にあるんだろう
「あ、空くんの荷物ね、今近藤くんが取りに行ってくれてるよ
高見先生が付き添いしてる」
「え、なんで律が…?」
「そりゃあ付き合ってるんでしょう?空くんが倒れたら1番に連絡するのは恋人の近藤くんだよ」
今、会いたくないのに…
その思いも無情に扉が開いてしまった
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