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「おー起きたんだな、久しぶり、空
元気か?」
「はい、荷物取りに行って貰ったみたいで、迷惑かけてすみません」
「いいってことよ、おい、近藤…?」
高見先生の背後に居た律は、無表情で僕に近寄ってきた
手が、伸びてくる
バチン
残るのは、頬の痛み
「え…?」
律はもう一度手をあげた
「おい!何やってんだお前!」
呆然として避けることもできなかった僕に、2度目のビンタは当たらなかった
高見先生が後ろから律を止めたから
「なんで、言わなかったの?」
「なに、を?」
「具合悪いって、なんで言わなかったの
倒れるとか吐くとか大事になる前に保健室に行っておけば良かったじゃん」
「えと、あの…ごめん…」
「おい!近藤!口を閉じろ!」
「俺と海、どれだけ心配したと思ってんの?
海、俺も行くって聞かなかったよ
こんな暗い中、俺がいるからってこさせられる訳ないじゃん
1人で部屋に置いてくるのも心配なのに
それに、昨日……やっぱりなんでもない」
何を言われてるのか分からなくて、頭が混乱した
僕が、海と律に心配をかけたから
保健室に行かなかったから、具合が悪いのを言わなかったから、倒れたから、吐いたから、荷物を取りに行かせたから
怒ってるの?
「昨日…?心配かけて本当にごめん…
僕はもう大丈夫だから、早く帰ってあげてよ」
「おい、空!お前は悪くねえからな!」
高見先生は今にも律に殴りかかりそうで、伊藤先生が必死に止めていた
「律、早く」
「これに懲りたら、具合悪いなら直ぐに言って
無駄な心配させないで」
「分かった、ごめん、もう大丈夫だから
また明日ね」
パタン
律が出ていった保健室には静寂が襲った
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