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(169) 伊藤優視点
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少し汚れてしまっていたからシャツを脱がした
だいぶ前に運ばれてきた時よりも格段に痣が増えていた
首元に傷があって血が固まっていた
「うわ、酷いなこれ、肉が抉れてる」
そこまで深くはないけど、このままだと高確率で化膿する
意識がないうちに消毒を済ませて大きめの絆創膏を貼って包帯を巻いておいた
あの傷は、たぶん自分でつけた傷だろうから、これ以上酷くならないように
予備の制服を着せて、ベッドに寝かせても、高熱のせいか荒い息は収まらず、むしろ酷くなるばかりだった
一応熱を測ってみたら41度2分あった
「なんでこんなになるまで…」
空くんの彼氏である近藤くんに連絡しようかと思ったけど、すぐに授業が始まるし放課後にすることにした
それまでに空くんが起きてくれたらいいけど…
「おい、空は?」
「わっ、びっくりした…ノックくらいしてくださいよ高見先生…」
「慌てて気づかなかった、一応綺麗にはしてきて、その辺にあった空の荷物持ってきた
て言ってもお弁当箱と水筒だけだけど」
「ありがとうございます、助かりました
空くん、熱が41度あって意識がないんです
一応解熱剤は用意してあるんですけどなんせ意識がないのでこの状態で飲ませると最悪喉につまらせちゃうから…
起きるのを待つしか出来ないです」
「そうか…」
41度…と小さく呟きながら高見先生は空くんの方へ近づいた
目にかかっていた前髪を分けて、汗でおでこに張り付いた髪を除けていた
「おい優、冷えピタとか氷嚢とかねえのかよ」
「冷えピタとポカリならあるけど、すぐに暖かくなっちゃってあんまり意味ないと思うよ?」
「それでも一瞬はつめてぇんだろ?意味が無いわけじゃねんだから、やれることやってやる」
「わかった、そうだね」
冷えピタを貼ってあげると、一瞬だけ表情が和らいだ
またすぐに荒い息になって辛そうにしていたけど、意味はあるんだと思った
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