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(なに、これ…)
迅が作ってくれたうどんを食べて薬を飲んで、そのあとは久しぶりに熟睡した
朝起きるとなんとか熱は平熱まで下がっていた
昨日全部置いて帰ってしまったから手ぶらで学校に来るのはとても違和感があった
教室に着いて、僕の机の上を見てみると紙が散乱していた
全部、僕のノートだったものだ
(泥棒…邪魔者…汚い……淫乱………
言われ放題だな…)
カッターやハサミで切り刻まれて読める文字は太いマジックで書かれた悪口ばかり
周りの人達は机を見て呆然とする僕をクスクスと笑うだけ
「誰にでも抱かせる淫乱が律様に媚び売ってんじゃねーよ」
「律様と海くんの邪魔すんな」
「海くんと同じ顔とか、図々しいにも程があるって」
グチャグチャに丸められた紙くずを投げつけられる
とりあえず座ろうと、椅子を引いてみれば、ああ、もう忘れかけていたのに
また、首が、傷跡が痒い
「城島がその写真結構高値で売ってんの、知らなかった?」
「結構色んな人が持ってるよな」
写真を拾い上げる手が震えた
とにかく予鈴がなって高見先生が来る前に片付けないと
ゴミ箱を持ってきて全部一気に放り込んだ
あの時の写真も、せめて平均は超えないといけないと必死に受けた授業で取ったノートの破片も
ゴミ袋の口を縛り、新しいゴミ袋をゴミ箱にセットして
全部なかったことにした
このクラスの人たちは、僕に無関心なんだと思っていた
2年が始まってもう秋が来る、今まで誰も僕に話しかけなかったから
皆僕には触れないように生活していたから、居場所はなかったけど辛くはなかった
でも、結局こうなるんだ
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