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やっぱり、味がしない
サンドイッチは僕の好きなたまごサンド
ヨーグルトはブルーベリーヨーグルト
卵の優しい甘さもヨーグルトの酸味も
感じられない
「昨日の昼休みは空がいなかったから律くんと教室で食べたんだけどさ、2年に上がってから初めて昼休みに教室に居たから物珍しかったのか皆にすごい見られちゃったんだよね」
「へえ…そうなんだ、でも律と海は見られるの慣れてそう」
「そんなことないよ、すごい居心地悪くてさ
やっぱり3人でここでゆっくり食べるのがいいね」
「…そうだね」
律はさっきから一言も喋らない
海とはなにか喋ったりしていたけど、僕とは目も合わせてくれない
海がずっと喋りかけてくれて、僕はそれに応えるだけ
僕にとっては教室もそうだけど、今も十分居心地が悪い
「海、食べ終わった?
次の時間実験だから早めに上がろう」
「あ、そうだったね
ごめんね、空、また放課後迎えに行く!」
2人が去っていって、ベンチには僕一人になった
この場所も、僕のお気に入りで律には、律だから、教えたいと思った
でも律はいとも簡単に海を連れてここにやってきた
ここは、律が大事な秘密を僕に話してくれた場所で、僕が律への恋を自覚した場所でもある
ここから色んなことが動き出したんだ
「教室、行きたくないな…」
独りごちて、ゴミを持って立ち上がった
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