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結局、なんの覚悟も出来ないまま放課後を迎えた
律とも海とも目も合わせていないし、もちろん話してもいない
祝福モードの校内で、ただ僕だけが暗く浮いている
何を言われるんだろう
もう話しかけないで、とか?関わらないでほしい、とか…
いくら考えても悪い方へ考えてしまう
僕が出て行ってから、あの部屋はどんな風に変わったんだろう
僕と律で作った、あの部屋は
そんなことを考えているうちにいつの間にか寮に着いていた
ヒロさんに挨拶をして、昨日のお礼と軽い雑談をしてから、遂に
いつも帰る部屋の、隣の部屋
震える手でインターホンを押した
暫くすると、怖いくらいに真顔の律がでてきた
「入って」
「お邪魔します…」
部屋に入った途端、息苦しくなった
僕がいた時とは正反対のような部屋
空は名前もそうだけど青のイメージがあるから、寒色系で揃えてみた
そう言って楽しそうに笑っていた律
今居る部屋は暖色系がメインの暖かい部屋だった
早くここから出たい
「…話って、なに?」
「あんな風に別れることになってごめん、でも、空を好きだった気持ちは嘘じゃないから」
嘘ばっかりだ、 勘違いだって言ってたくせに
「あと、誕生日おめでとう」
まさか祝われると思ってなくて、目を見開いて律を見てしまった
「…やっと顔上げた
やっぱり、顔はそっくりだな、空」
ゾクリと、嫌な予感がした
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