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寮にて1
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遥「おっきいね」
隆彦「まぁ全寮制だからな」
寮はコの字型になっており階ごとに学年が分かれているらしい。生徒手帳によると。
1年生は1階と2階
2年生は3階と4階
3年生は5階と6階
各役員の部長,副部長,部活動の部長,副部長は7階
そして生徒会執行部,風紀委員は8階
ちなみに7階と8階の住民は一人部屋
他人の部屋に泊まるのは許可するがどちらともの同室者に許可を取らなければならない。
寮以外で泊まる場合は外出届がない限り出てはいけない。分かり次第厳しい罰が与えられる。
寮の情報はそう書かれている。
厳しい罰ってどんなのだろう。
隆彦「おい遥!置いてくぞ?」
遥「あっ,ちょと待って。置いてかないで」
数メートル先をこっちを振り返りながら手を振っているタカくんに声をかけられ駆け足で追いつく。
遥「中もすごいね…。お城みたい」
隆彦「お姫様,迷子にならないように気をつけてくださいね。方向音痴なんだから」
遥「タカくん。誰にそれ言ってるの…」
隆彦「あ?お前しかいねぇだろ。方向音痴なお姫様はな」
遥「僕は男なのにお姫様って…。大丈夫だよ?迷子になったらタカくんかイクが迎えに来てくれるの知ってるから」
3人でショピングモールやお祭り,おしゃれな商店街などに行った時僕は決まって迷子になる。
携帯で2人になんとなくの場所を教えるとすぐに迎えに来てくれた。だから迷子になっても大丈夫だと思っている。
隆彦「((ボソッ…不意打ちかよ。そーゆー無自覚なところがほっとけねぇんだよ」
遥「?」
なんか1人でボツボツ言っているタカくんを置いて寮長室と書かれた入口すぐにある部屋のインターホンを鳴らす。
«ピンポーン»
…反応がない。
外出中かな。それとも疲れて寝てるとか。
だったらしつこくインターホンを鳴らすのも失礼かな。どうしよう。
隆彦「寮長いねぇのか?」
遥「多分」
隆彦「……」
遥「タカくん何してるの?」
タカくんが寮長室に耳を近ずけている。
なんかいけないことしている人みたい…。言わないけど。
隆彦「…いる。中から少しだけ物音が聞こえる。多分インターホンに気づいてねぇだけだ」
野生の勘ってやつなのかな。
ある意味すごい。
«ゴンゴンゴンゴンゴン!»
遥「ちょっタカくん?何してんのさ!」
隆彦「おーい!寮長さ~ん!…ん?何ってノックしてんだよ」
ゴンゴンはノックって言わなくないかな?
コンコンって軽く叩くのがノックじゃないの?
「うっせー!!」
«バンッ!»
「うっせーんだよゴンゴンゴンゴンゴン」
隆彦「うっせーと思うんだったらチャイム押した時に気づかなかった自分を怒っとけよ洋にぃ」
「あ?チャイム?そんなもん聞こえなかったぞ?」
隆彦「ナニしてたかは聞かねぇけどさっさと俺とこいつの部屋の階と番号,カードキー渡してくれよ」
キンキンパツパツの目がチカチカする髪をオールバックにしているお兄さんが出てきた。
遥「タカくん知り合いなの?」
隆彦「あぁ。従兄弟の篠塚洋。
俺は洋にぃって呼んでる。見た目こんなんだけどここの3年生で寮長をしてるんだ。
こいつにはあまり近づくなよ遥。
可愛い子狙っていい顔して近づいて最後は意識失うまでずっと離さないバリタチの獣だから」
洋「遥?あぁ,こないだ言ってたやつか。篠塚洋だ。よろしく」
遥「森山遥です。よろしくお願いします。篠塚先輩。早速で悪いのですがそろそろ部屋の場所とカードキーを渡して貰えないでしょうか」
獣さん(寮長のこと)の後ろで僕に殺気?を送って来ている男の子にしては可愛らしい子が大層ご立腹のようで…。さっきタカくんが言ってた通りナニをしていたんだろう。
邪魔されてたと思い僕を恨むのはいいが服だけはちゃんと着てほしい。多分ベットから持ってきただろう薄めの布団を軽く体に巻いている。
洋「へいへい。にしても俺のこのカッコ見て普通は顔を赤くしたりキャッとか言うだろ」
遥「ご期待に添えなくて申し訳ありません。お希望がありましたら棒読みでもよろしかったら言いますけど」
隆彦「プパッ…だってよ洋にぃどうする?ククッ」
洋「遠慮しとくわ。でも持ったいねぇよな~。こんな可愛い顔してんのに」
クイッと寮長さんに顎を掴まれて上に向かさせられ,自然と目が合う。背の低い僕の顔を近くで見るため腰を曲げていたため寮長さんの顔がとても近い。
あっカラコンつけてる。
綺麗なエメラルドグリーン。柑橘系の香りは優しく香る程度でとても心地いい匂いだった。
洋「ちょと俺と遊ばね?」
遥「遠慮しときます」
「洋さん!」
そんな至近距離の会話をしていた時僕よりは低めの声だが一般的には高めの声が聞こえた。
寮長さんの後ろで僕に殺気を送っていた子が涙目で寮長さんの腕に抱きついた。
「そんな子ほっといて僕と遊びましょ?そいつなんかよりずっと気持ちよくします。
それにそいつはいい噂は聞きません。
体を売っているとかコネだとか,イケメンが自分の近くにいないと落ち着かないやら…。
そんな子といたら洋さんが悪い噂をたてられてしまいます!
その横の人だって体やお金を使って付き人として使ってるってよく聞きます。他にももう1人いるとか…そんな奴らと一緒にいたら洋さんが汚れてしまいます!」
遥「…ちょと言い過ぎじゃないですか?」
マシンガンのようにずっと一方的にガンガンと言っていた少年に声をかけたのはいつもなら絶対に気にしていない僕だった。
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