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寮にて2
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「何が!お前こそ少し洋さんに気に入られたからっていい気にならないでよ!」
遥「寮長さんに気に入られたかどうかは僕には分かりませんがあなたは寮長さんのことが好きなんですよね?」
この人はわかりやすく顔を赤く染め寮長さんに擦り寄り甘い声で誘惑した。一目瞭然だった。
「アンタには関係ないじゃない!」
«バチンッ»
遥「ッッ」
高く上へ振りかぶられた手は勢いよく僕の頬を目掛けてとんできた。平手打ち。入学初日にされるなんて思ってもみなかった。
隆彦「遥!てめぇ…」
心配そうにこちらを見たあと今までに聞いたことないくらい低い声を相手に向ける。
遥「タカくん。大丈夫だからね?このくらい」
「あんたが悪いんだからね!」
遥「よくわかりませんね…だって今寮長さんのことも貶していたのに。あ」
「僕がいつ洋さんのことを貶したって言うの!バカなこと言わないで!」
こういうの確かかまりき声?
カネキり?…あっ金切り声だ。
遥「…だって寮長さんとタカくんは従兄弟って今言っていたのに,堂々と自分の好きな人の親戚を貶してました。
それって遠回しに悪口を言っているのと同じだとおうんですけど」
「ッッそれは…」
遥「ほんとに寮長さんのことが好きなら誤った方がいいのではないですか?
僕はあなたではないのであなたが何を思って言ったのかは知りませんが…」
久々にタカくんやイク以外と長々と喋ってしまった。
寮長さんもタカくんもなぜかポカーンとしてる。
やってしまった。
洋「…ふっははっあははははっゲホゲホ…はぁはぁ…ククッ」
なぜか爆笑。
遥「タカくん。僕そんなに面白いこと言ったかな?」
隆彦「んー。
面白い事っつーか嬉しいことっつーか…まぁ昔から洋にぃの笑いのツボって不思議なとこにあったりしたからな。それよりありがとな。
俺のために俺たち以外と長々話してくれて。頬と体調大丈夫か?」
遥「問題ないよ?頬もそんなに痛くないしね?」
未だ笑ってる寮長さん。
その横でモジモジして何かを言おうとしている可愛めの子。その前で僕の心配ばかりしてくれているタカくん。…カオスだ。
タカくんが心配しているのはまだ中学生の頃。
イクとタカくんと仲良くなって遊んだりし始めた時のこと。僕に興味をもちたくさんの人が話しかけてくれ始めた。
その勢いは半端じゃなくて…。
中には普通に話してくれる人もいたけど,僕はイクとタカくん以外と長時間話してたら体調が悪くなることが分かった。
理由は簡単だった。
中学2年生にもなれば香水やキツめの香りがする日焼け止めとかを使う人が増えた。それが理由だった。
タカくんが心配してるのも目の前にいる可愛い子からキツめの香りがするからだった。
洋「あー笑った笑った。はぁ…久しぶりにこんなに楽しかったわ。お前もう帰れ」
「え?」
洋「なんか冷めたわ,それに正直隆彦のこと悪く言ったのは腹立つしな」
「ッッ!ぼっ僕は…」
洋「帰れって言ってんの。これ以上しつこいと俺怒るよ?」
おぉ…低い声。
羨ましいな低い声。
「…帰る!邪魔だよ!」
遥「っい…僕に八つ当たりなの?」
隆彦「遥だいじょ…」
洋「よっと。大丈夫?遥ちゃん?」
手を出そうとしたタカくんより先に寮長さんが小さい子のように立たせてくれた。
洋「遥ちゃん?大丈夫か~?」
遥「大丈夫です。ありがとうございます寮長さん」
洋「みずくさいな~。洋って呼んでよ~」
遥「え?」
なぜか急に友好的?になった寮長さん。
いや洋さん?
隆彦「洋にぃ!遊びで遥に近づくんじゃねぇよ。従兄弟だろうが容赦しねぇぞ」
洋「遊びじゃないんだよな~これが。俺案外マジで遥ちゃんのこと好きになっちゃったかも。だから宜しくね遥ちゃん!」
ぎゅっと抱きついてきた。
柑橘系の香りはやっぱり落ち着く。
遥「りょっじゃなくて洋さん?は何か香水とか付けてるんですか?」
洋「ん?香水?俺あんまキツいの苦手でつけてねぇんだよね」
遥「え?じゃあこの香りって洋さんの香りだったんですね」
洋「ッッ。これを無意識にやってる当たりやっぱり噂はデマだったんだな。つーか隆彦に聞いてた以上にやばいわ」
隆彦「遥?こっちおいで?」
首根っこをひょいと掴まれて軽々と持たれた。
これじゃあまるで猫だ。
それから少しだけ世間話をしてから鍵をもらい部屋へ向かった。
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