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保険医side
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俺は保険医をやっている橘日比谷。
入学式を目前としたある日,旧友から突然の電話がかかってきた。
剛『もしもし,日比谷?』
日比谷「んだよ,今から寝ようと思ってたのによ…」
剛『寝るって…まだ昼だよ?ってそんなことはどうでもいいんだった』
日比谷「どうでもいいって…」
剛『突然で申し訳ないんだけど今年入学する生徒の1人,森山遥くんについてなんだけど…』
日比谷「森山遥?…あぁ今年首席で試験を合格した奴か。この学園初めてのオール満点,中学時代の学歴書も運動神経も共に問題無しの…」
剛『いやまぁそこは知らないんだけど…これは日比谷を信用しての真面目な頼みなんだけど…遥くんがこないだ私の病院に来たんだよ。
激しい頭痛に吐き気,吐血もしているらしくて急いで検査をしたんだ』
日比谷「結果は?」
剛『脳と心臓に異常あり。レントゲンを見た限りここまで大きくなると手術しても正直助かるかは五分五分だった』
日比谷「…そりゃ,かなり進行してんだな。お前がそこまで言うってことは。」
剛『まぁ…ね。まだ若い命だ。助けれるなら助けてあげたい。けど…』
日比谷「けど?」
剛『遥くんは手術を選んではくれなかった。 』
日比谷「なぜ?」
剛『…この世界に未練がない。まだ3・4年あるんなら今まで通りの生活を送りたいんだって。
こんな僕と仲良くしてくれた2人の友達にささやかな感謝を伝えたい。…そう深々と頭を下げられてお願いされたよ』
日比谷「チッ,ガキのくせに生意気な願い事だな」
剛『そんなこと言わないの』
日比谷「…はぁ,で?頼みたいことってなんだよ」
剛『…少し気にかけてほしいんだ。あの子はこのことを理事長以外には知らさないでほしいと言っていた。
けど子どもの力には限界がある。遥くんには僕の信頼している保険医がいるからその人には言うと言っておいた』
日比谷「ちょとまて。俺は確かに保険医だ。ここにきたり運ばれてきた場合は面倒を観てはやる。
…が,ここに来ないのであれば俺が気にかける必要は無いはずだ。森山だけを特別扱いには出来ない。 」
剛『分かってるよ。君がそういう性格だってことくらい。でもほんの少しだけでいいんた。
見かけた時に顔色とかで体調が悪そうなら保健室に連れていく。そういう程度で』
日比谷「…チッ,仕方ねぇ。わぁったよ。やればいいんだろ?やれば」
剛『ありがとう。それじゃあよろしく。詳しい詳細はパソコンに送っておくから』
日比谷「あぁ,じゃあな」
別れを告げ電話をきった。さてとこれからどうしようか。パソコンを開き剛からのメールを開く。そこには詳しい情報が綴られていた。
日比谷「ん?」
森山遥の情報はおかしかった。
何せこいつの情報が見るからにちゃんと示されるようになったのは中学からだ。
それまでの情報は作り物めいていて…。
保護者の欄にある男の性は森山ではなかった。
ということは本当の家族じゃないということになる。
それ自体はいい。
けれど何故生まれてから12までの情報が掛けているのかが問題だ。
知れば知るほど森山遥の情報はどれもこれも在り来りなことばかりで全て信憑性に欠けていた。
そして疑問のまま入学式を迎えた。
試験の日もどうやら目立っていたらしいが俺は今日初めて森山遥を見た。
第一印象はまるで白雪姫。
白い肌に黒い瞳とストレートの髪。
淡いピンクの唇に整った顔立ち。
そして剛が言っていた森山遥の友達だという2人のナイト。
まさにおとぎ話の中に出てくるような白雪姫とナイト様だ。
普通に笑っている姫さんはいずれ死ぬ。
それを知らずに姫さんの隣で笑い続けるナイト。
あぁ事情を知っていも物語の中に入らないただの傍観者の俺から見て3人は幸せのようで本当は幸せではないんだなと哀れに思う。
そして翌日。
HRが始まる少し前。
ここ保健室に現れたのは血の匂いをまとったフラフラの白雪姫だった。
俺は恰も今日初めてあったみたいに装った。
変に警戒されたらそれもそれで何かと面倒だ。
薬を飲ませてから一応安心をさせ森山遥を寝かした。俺の腕の中にいる小さな姫の顔はただでさえ白い顔が青白くなっており身体も冷えていた。
とりあえず姫抱っこをして一番奥のベットに寝かせ職員室へと連絡を入れた。
日比谷「具合が悪いみたいなので様子を観て行けそうになりましたら教室に送ります」
慎司『わかりました。ではよろしくお願いします』
さて電話も終わったことだしこいつが起きるまで保健室の鍵閉めて寝るか。
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