アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
昔の夢14
-
本当はお風呂から上がってリビングに入ったぐらいからずっと起きていた。ただこのまま寝た振りをしていた方が何かと情報が入ると思ったんだ。
遥「そんな顔しなくてもいいじゃん。酷いなぁ…」
深海「猫?」
遥「なぁに?ってシンまでそんな心配そうな顔しなくても…」
深海「大丈夫なのか?」
遥「ふふ,さっきからシンらしくないね?大丈夫って何のこと?腰は少し痛むけどそれ以外は何にもないけど…」
本当のことだ。
抱かれたことに関しては確かに怖かったし嫌だった。
けれど嫌なはずなのに感情とは裏腹に身体は快感に喜び自身を火照らせる。
よく覚えていなくても自分から「もっと」とせがったことくらい覚えている。もしあそこにカッターや何かしらの刃物があったら間違いなく死んでいた。
深海「は…」
遥「それにしても…」
シンの言葉を遮り膝の上でくるりと回る。
そうして瞬さんと麗の方に体を向ける。
遥「僕,やっぱり森山遥じゃあなかったの?」
瞬「…」
その無言を肯定と取る。
遥「昔ね?鈴谷夫妻に名前は?って聞かれて何故か自分の名前を思い出せなくて必死に思い出したけど漢字しか分からなくて書いたらずっと遥とかはるちゃんって呼ばれてたんだ…。
けどどこか違和感があってずっと呼ばれるうちにあまり気やなならないようになったけど違和感だけは残ってたんだよね?」
そう言えば少しだけほんの少しだけ顔を歪める。
この人達といた2年間で僕は結構人の表情を読むことができるようになった。
そして自分の感情を隠せるようにも…。
遥「僕学校に行ってみたい…。勉強はしようと思ったら別に家でもできる。
だけどノートをとったり,決まった時間決まった先生に勉強を習ったり,家で勉強できないような人との付き合い方だとか同期の人との話し方だとか…。
僕にはそういった知識がない。だから学んでみたいと思ってた」
麗「過去形?」
くるっと方向を変えシンと向かい合わせになる。
そして首に手を回しギューッと抱きしめる。そうすれば少しだけビクッとするシンだったけどちゃんと僕の背中に手を回してくれた。
この2年間で分かった。
本当はもう大切な人を作らないようにしようと決めていた。もう自分が傷つくのが嫌だから…。
だから3人にも自分から甘えることはなかった。
何があろうとこんなふうに自分から抱きつくことも。
けど…今回のことて分かってしまった。
ダメだダメだと自分の心は言っていたけどいつの間にか3人と事を大切な,僕の家族になっていたことを。
遥「でもね,しばらくは無理そう…。シンの姿,声が届かない距離には離れれそうにないや…」
これは僕の甘え。
初めてのシンへの形に見える甘え。
甘え方がイマイチ僕には分からない。もう小さい子が甘えるような歳でもないけど大人でもないから甘えてもいいとし。
『甘える』という行為自体僕はあまりしてこなかった。鈴谷夫妻は僕の『甘え』で死んでしまったのかもしれない。
…でもシンは言った。『猫?俺は鈴谷夫妻にはなれねー。けど鈴谷夫妻のように脆くもねぇ。ここでは安心しとけ,俺は死なねぇよ』その言葉に僕は今ようやく甘えよう。
擦り寄っていればシンは…
深海「…やばい可愛すぎて泣きそう」
そう呟いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
44 / 222