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運命-サダメ-2
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テスト前日。
学園の図書室。
1人,勉強のためシャーペンを握っていた。
しばらくノートを書くがすぐにペンが止まる。
ペンを持っていない方の手で頬杖をつく。
耳にあるピアスに触れる。この間から学園内のお店で黒いピアスを購入し耳につけた。
黒水晶で作られた小さなピアス。
昔から黒水晶は"猛毒"を意味すると言われている。
半端な気持ちで付ければ毒となりその身を滅ぼす。
覚悟あるものだけが付けられる石。
強い薬は本当に体調が悪い時に使えば回復するが,健康体で使うと帰って具合が悪くなる。
黒水晶は強い薬同じようなもので,本当に困った時や強い願いの時に使用する。
全てを飲み込み包み込める黒。
全てを飲み込み支配する黒。
同じ黒でも違う黒。
僕はどっちになれるんだろうか。
遥「はぁ…」
「君は案外ため息が多いんだね」
2階の方から声が降ってきた。
見なくても分かる。鍵を閉めてたここに入って来れる人物なんて限られてる。
遥「先輩達も後輩の姿を盗み見るなんて案外趣味が悪いんですね」
誠「悪かねぇよ。そんな趣味もない」
どーだか。
ここに来ると会えるかもとか思って来たわけだけどほんとに会えるとは…。
実は生徒会って暇とか?
秋「で?遥が勉強で悩んでるとは思わないけど~…お友達の事かな~」
遥「相変わらずの情報力…そこまで来るとそろそろ犯罪レベルですね」
秋「褒め言葉として受け取っておくね~」
確かこういうのをポジティブシンキングって言うんだっけ…。
誠「ちなみにお前はどこまで知ってんだよそのお友達のこと」
遥「…神谷組,若頭神谷要。
この間の交戦で父である組頭の神谷源助が片足を失いすぐにでも自身の代わりが必要になってしまった。
そこで要が卒業しだい傘下の娘と結婚させ組を継がそうとしている。
しかし要はそれに反抗して今現在荒れている。
………簡単に言っちゃえばこんな感じですかね」
僕が話している途中に降りてきた清水先輩と西井先輩が僕の近くへと来る。
零「君も犯罪レベルだな……」
遥「僕は別に興味のないことまで知ろうとはしていませんよ」
机の上に突っ伏して目を閉じる。
犯罪といったらシン達の仕事は犯罪になるんだろうけど誰もが認める情報屋。そう追放も殺されもしない。
秋「と言いながらもちゃっかり人のこと色々知ってるくせに~」
人のこと…とは先輩達のことだろうか。
それとも友達のことだろうか…。
遥「先輩達は暇なんですか?」
誠「仕事はちゃんとたっぷりあるぞ」
遥「じゃあなんでここに来たんですか」
顔を上げ前と上にいる先輩達の方を見る。
なんとなく悔しかった。…いや理由は分かっているけど分かりたくない。
優「その顔あんまり人に見せない方が身のためだよ…大抵の男はそんな顔されたら理性が切れて襲っちゃうからね」
遥「そんな顔ってどんな顔ですか…」
秋「眉毛を八の字にして唇を突き出してる顔~。そそられるねぇ~」
誠「いらんこと言うな」
«バシッ»
秋「いっ!!…何も本の角で叩かなくたっていいじゃんもう~」
漫才ならよそでやってほしい。
そそられるって言われてももとよりこんな顔なのだから仕方がない。
話からそれてるけどなんで仕事があるのにこんな所へ来るのだろうか…。
生徒会室で仕事すればいいのに。
誠「お前が俺らの前でそんな顔見せたりそんな態度見せたりするのはそこそこ気を許して貰えてると受け取っておく……」
秋「案外弱ってるとつんつんするんだね遥は~。小さな子供みたいだよ~」
つんつん?僕が?
する訳ないじゃん,そんなこと。
だいたい弱ってないし…。
いや弱ってるのかな傍から見たら。
どうしよう…どうしたんだろう僕は…
遥「弱ってるように見えますか?」
誠「それはもう弱ってるようにしか見えねぇよ」
弱ってるように見える原因は要…。
どうしよう僕…決めてたのに…最初から……
遥「本気にならないって…」
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