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欲望の雨
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その大きくて重いものは、いつもの彼には無いものだった。
初めての経験に戸惑いながらも、その気持ちが俺だけに向けられてるって思うと幸せを感じる。
俺って変なのかな?
「飲み会?...名瀬が行くなら行こうかな」
「メンバーは太久麻(たくま)君とイリくん、おうちゃんに岡屋だから、洸ちゃんも緊張しないでしょ」
国生太久麻(こくしょうたくま)、入江頼彦(いりえよりひこ)、相方の仲本央(なかもとひさし)、岡谷潤哉(おかやじゅんや)。
気心知れた事務所のメンバーの名前にほっとする。
みんな忙しくなったから、こうやって時間を作らないとなかなか会えない。
名瀬は人付き合いいいから色んな人と食事してるみたいだけど、俺は苦手だから殆ど引きこもってる。
それでも事務所の仲間とはたまに会いたいと思う。
デビューまでの辛い時代を一緒に乗り越えてきた仲間は、気兼ねなく話せるから楽だ。
「お、洸介久しぶり」
笑顔で声かけてくれたのはイリくんだった。
側には太久麻くんが居て、手を振っている。
名瀬は先に来てみんなと話してる。
「洸ちゃん、こっち!」
手招きされて名瀬の隣に座る。
俺たちの関係は勿論秘密。
でも今までもこんな感じだったから、違和感ないはず。
俺が最後だったみたいで、座ると同時に乾杯となった。
近況報告をそれぞれしながら、酒が進む。
「洸介、最近恋してる?」
「え...?」
「太久麻くん、急すぎ。確かに色っぽくなってるけど」
「分かります!央くんと話してたけど、色気が出てるよねって」
太久麻くんの一言から、イリくんや岡屋まで参加してきた。
「いやいや、色っぽいって何なんですか!...なぁ、名瀬?」
「ん~...ま、その通りなんじゃない?」
助けを求めたのに、名瀬まで...。
ムッとしてビールを一気飲み。
「洸介、まち!そんなに飲んだらアカンって!!」
慌てた声の央。
そう言えば、打ち上げで飲むことはあるけど、途中で央に止められる。
このメンバーではいつも初めの一杯だけにしていた。
「ええやろ?今日は飲みたい気分なんや」
「...どうなっても知らんからな。まぁなっちゃんおるし、大丈夫か」
溜息をつく央を横目にまた一杯。
ふわふわした気分になってきて、気持ちいい。
「それで、洸介は好きな人いるの?」
「居ますよ~!」
「へぇ。芸能人?」
「ん~...みんな!ここに居るみんな、大好き」
そこから記憶が無い。
気づけば自宅のベッドにいた。
まだカーテンから光がもれてこないから、朝ではないようだ。
水を飲もうとキッチンに向かってると、薄暗いリビングに人の気配。
「...名瀬?」
声をかけるとすぐに目が合う。
でも、いつもの雰囲気と違っていた。
「...起きたんだ」
「うん。喉渇いて...」
スっと立ち上がり近づいてくる。
ーなんか、怒ってる...?
持っていた飲み物を自分の口に含んだと思ったら、そのままキス。
冷たい水が強制的に送り込まれて、飲み込めないものが溢れる。
「んっ...ぅんっ!」
優しさの欠片も無いキス。
グラッと身体が揺れたかと思うと、視界が変わり床が近づく。
頭を打たないようにしてくれる優しさは残ってたようだ。
「名瀬...?」
怒ってるのは分かる。
ただ、その理由が分からない。
戸惑う俺を無視して、その行為は続けられた。
乱暴に服を脱がされ、身体中キスされる。
「ぁ...いやや、名瀬...やめっ」
快感を得られないままウシロに指を入れられ、解される。
怖さから柔らかくならないソコに、舌打ちをし今度は下部を触られた。
ソコを触られると、否応なしに快感が身体中を駆け巡る。
「...は、ぁ」
快感と恐怖が入り乱れて、涙が頬をつたう。
一瞬名瀬の目が戸惑うように揺れたが、身体を押さえつけられ名瀬自身が俺の中に入ってきた。
「ぅ...あぁ、や、だぁ!」
しっかり解されていたから痛みはない。
でもその行為に愛情は感じられなかった。
名瀬の怒りだけを受け止める行為。
それでもしっかり感じてるなんて...
ーどんだけ名瀬を好きなんだよ、俺...
「あ...あぁっ!」
名瀬のものを受け止めると同時に、俺も白濁を吐き出す。
余韻も無く、引き抜かれて、業務的に後処理をされる。
「...名、瀬...」
「......」
「名瀬!!」
俺をタオルで拭いていた手が止まる。
やっと声が届いて、目が合った。
「ぁ...ごめん。ごめんね、洸ちゃん」
いつもの名瀬に戻ってる。
ごめんって言いながら、綺麗にしてくれた身体を優しく抱きしめてくれた。
ふわっと身体が浮き、ベッドに連れていかれる。
「身体、痛かったよね?寒くない??」
「大丈夫...」
先程の行為が嘘のように優しい名瀬。
「何が、あったん?」
「...洸ちゃんが酔ってみんなに甘えてるの見てたら腹たってきて、飲み会の途中だったけど強引に連れて帰ってきた」
「...え、俺が?」
「うん。甘えまくるは、愛嬌振りまくは、色気だすは...最後にはキスまでしそうな勢いだった!」
「嘘...やろ...」
「おうちゃんが後で教えてくれたけど、洸ちゃん酒飲むと甘え上手なキス魔になるって...もう、悪夢かと思った」
央がいつも止めるのは、それが原因らしい。
「ごめん...」
「酔ってるから仕方ないけどさ、もう俺以外の前で飲むの禁止」
禁止命令が出されたけど、この話聞いて人前で飲もうなんて思わない。
全く覚えてないからタチが悪いよな...。
「太久麻くんたち、怒ってなかった?」
「怒るどころか、可愛いって触りまくってた!」
名瀬の怒りの原因が分かって、ほっとするのと同時に嬉しさが込み上げてきた。
嫉妬してくれたってことだよね?
「洸ちゃんは俺だけ見てたらいい」
「名瀬...」
抱きしめられた腕の中は、優しさで溢れてる。
怒らせたら怖いってこと胸に刻んで、背中に手を回す。
「...もっかい、しよ?」
今度はいっぱい、いっぱい愛をこめて...。
*****
名瀬はかなりのやきもち妬きです。甘ちゃんな表現が多い洸介だけど、精神的に大人なのは洸介の方。
やきもち妬いたり怒ったりする名瀬を包み込む...みたいな。
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