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不自由な幸せ
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いつからだろう。
アナタに見つめられると胸が高鳴って、どうしようもないくらい苦しくなる。
それを純愛と呼ぶなら、愛はきっと不自由なほど幸せなのかもしれない。
テレビ収録前に楽屋で雑誌を読んでると、ノックの音がして名瀬が顔を出した。
「こぉちゃん!」
ハートが飛びそうなほど、甘い声。
後ろ手に鍵を閉めて入ってくる。
隣に椅子を持ってきて座ると、ニコニコと俺を覗き込んだ。
「そんなに見んなや」
恥ずかしくて顔を逸らす。
「だぁめ。充電させて」
すぐに手で顔を挟まれ、名瀬の方を向かされる。
そして啄むようなキス。
「ホンマ、なんやねん。家や無いんやで!」
慌てて立ち上がり、名瀬の頭部を叩いた。
キスは嬉しいけど、こんな所でするもんじゃない。
立ち上がったせいで、名瀬の後頭部が丸見え。
いつもは見上げているのに。
腰に手を回し、抱きついてきた名瀬。
さわさわと頭を撫でると、上目遣いで俺を見る。
「今日は何時に終わる?」
「ん~...収録後コンサートの打ち合わせして、雑誌のインタビューがあるから...夜中になるんやないかなぁ」
「そっか。...今日もチュウはお預けだね」
珍しく名瀬が寂しいアピール。
仕方ないので、今度は俺からキスをする。
「洸ちゃん!」
嬉しそうな名瀬の声。
キスだけで浮上するんだもん。
単純で可愛い。
「名瀬も仕事頑張って」
もう一度キス。
すると、スタッフから収録開始の呼び出しがかかった。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
笑顔で名瀬が手を振った。
収録が終わり楽屋へ帰ると、勿論そこに名瀬の姿は無い。
でもああやって短時間だけでも会えると嬉しい。
ちょっと浮上した気持ちになるから、俺も単純だなって思う。
着替えてから事務所に向かう。
コンサートの打ち合わせは、たっぷり3時間。
大変だけど、楽しい時間でもある。
曲順やステージ構成なんかを決めるのは好きな作業だ。
打ち合わせが終わると、そのまま事務所で雑誌の撮影とインタビュー。
予想通り、帰る頃には日をまたいでいた。
家に帰り、シャワーを浴びてからベッドに潜り込む。
疲れからかすぐに瞼がおちてきた。
カーテンから射し込む光を浴びて目が覚める。
もう少し眠っていたかったが、伸びをして、身体をおこす。
今日の仕事は昼からコンサートの打ち合わせだけ。
午前中はゆっくりしようかな。
なんて思いながら朝食の支度をしていると、名瀬から電話。
「今部屋?」
「そうやで。今日は昼から仕事」
「じゃ、今から行くよ」
俺の返事なんて聞かずに、電話は切れる。
...嬉しいからいいんだけどね。
どうせ朝食はまだだろうと、名瀬の分も用意する。
と言っても、簡単にトーストとスクランブルエッグにウィンナー、サラダとコーヒー。
「いい匂い!お腹すいた~」
同じマンションだから、すぐに名瀬はやってきた。
部屋に入った瞬間にそんな一言。
やっぱり食べてなかったらしい。
「名瀬のもあるで」
「ありがとう。洸ちゃん大好き」
「はいはい。はよ食べよ」
軽いやりとり。
そんな心地よい空間が丁度いい。
朝食後はソファーに座って映画鑑賞。
名瀬の隣にピタッとくっついて見ている。
たまに名瀬の視線を感じて見つめ返す。
その度、唇が触れるだけのキスを繰り返した。
「洸ちゃん...」
何度目かのキスの後、熱のこもった声で呼ばれた。
ーま、そうなるよねぇ。
口付けが深くなり、シャツの中にある突起を触られる。
「...んっ」
気持ちよくて声を出したら、それが合図となり動きが激しくなっていく。
糸を引きながら離れていった唇が、その突起に触れる。
指先はそそり立つ下半身のソレを掴んで動き出す。
「あ、いぃ...あっぁ...!!」
そのままソファーでイかされた。
肩で息をする俺を抱きしめて、名瀬は性急にウシロに指を挿入する。
「ごめん、時間無い...」
「...ん、ええよ」
名瀬自身が入ってくるが、いつもよりキツくて無意識に顔をしかめた。
緊張を解すかのようにキスされて、ようやく深くまで入ったと同時に動き出す。
「ぅ、あ...あっぁ!」
心配そうに見つめていた瞳が、快感の声が聞こえ始めると切なげに揺れた。
「...洸ちゃん、イクよ」
「ん、ぁ...とも、あ、あぁぁ!」
二人同時に果てる。
余韻に浸る時間も無く、シャワーを一緒に浴びて、長いキスをした。
「洸ちゃん、愛してるよ」
「もうええって!行ってらっしゃい」
罪滅ぼしのように愛の言葉を発し、名瀬は慌てて出かけていった。
*****
甘えん坊な名瀬もいいかな?と思いながら書きました。
やっぱり甘々が一番書いてて楽しいです♪
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