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二人だけの暗号
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目覚めると、隣に温もりを感じた。
ソロコンサートを終えた洸介が、俺の部屋にきて深い眠りについていた。
頭を撫でたり、頬をつついたりするが、身じろぎもせず眠っている。
「お疲れさま。...行ってきます」
疲れきっている恋人にそっと声をかけて、部屋を出た。
仕事を終え家に帰ると、余程疲れていたのだろうか、洸介はまだ眠っていた。
眠る洸介に「ただいま」と口付けし、リビングに行く。
直接観客の反応が分かる仕事が好きな洸介は、舞台やコンサートの仕事を好む。
K-2としてもテレビ番組に出ることは稀である。
その分身体の負担は半端なく、公演が終わる度生きてるのか心配になるくらいの深い眠りにつく。
俺はそれだけ仕事に打ち込むことができてるのだろうか?
洸介を見ていると、落ち込みそうになる自分がいる。
「...ダメだなぁ」
「何が?」
ひとりごちた俺の言葉に、思いがけず返事が返ってきた。
「洸ちゃん!」
「おはよ。...ってもう夜やけど」
アクビをしながらそこに立つ洸介は、2ヶ月前より少し痩せたみたいだった。
いつもの事ながら、ハードなツアーだったのだろう。
食に無頓着だから、ツアー中でも平気でカップ麺なんか食べてる。
そんなだから痩せてくのだろう。
「ご飯、食べる?」
「なんか作ってくれんの?」
「...炒飯なら」
俺のレパートリーから今選べるのはそれくらい。
「炒飯でええよ」
ニッコリ笑って洸介が答えた。
そのままダイニングのイスに座り、じっとキッチンに立つ俺を見る。
久しぶりに感じるその視線が艶かしい。
そのまま襲ってしまいたくなる気持ちを抑えて、炒飯を作った。
ツアーのことを聞きながら、食事を済ませる。
今回はかなり手応えがあったようで、少し興奮気味に語っていた。
またやりたいと話す洸介の瞳はキラキラ輝いている。
「今回はいつまで休み?」
「明後日まで」
明日は俺もオフ。
洸介のツアーが終わるのに合わせてとった。
「じゃあ、明日はデートでもする?」
冗談めいて言うと即却下された。
「誰にも邪魔されたくないねん」
二人きりがいいなんて、可愛い恋人の願いを叶えないわけない。
家でゆっくりする事に決めた。
朝までたっぷり交わった俺たちは、言葉通り誰にも邪魔されること無く、ゆっくりとした時間を過ごした。
裸のまま一日中過ごし、求めたい時には身体を重ねて愛を確かめ合う。
「幸せすぎて怖い」
そう言う洸介を強く抱きしめる。
二人だけの大切な時間。
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