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カギをかけたはずのドアはまだ半開きだった。
完全には閉まらないよう足の先っぽを突っ込んでるやつがいる。
わずかな隙間から血走った目で俺を見つめて、鼻先をグリグリとねじ込んでくる。
「クソやろうで、すみません……、生きててすみませんっ、ほんとに……あのっ……あのっ……」
遠慮がちに図々しく家宅侵入してくるのは、鶴見だった。
不健康そうな青白い肌には冷や汗がにじんで、重たい前髪がべっとりと貼りついている。
ケアはなくカカカカカカが書かカカカカカカが書かカカカが書かカカカガガガカナカサプが
俺は反射的に全体重と全筋力を掻き集めてドアを閉めようとしたが、もはや手遅れ。
「ああうっ、閉めないでぇええ! あのっ、おみやげ買ってきましたからぁああ!」
滑り込ませた細っこい腕で俺の手首をがっしりと掴み、もう放さないと言いたげに笑った。
その歪んだ唇はカサカサに乾いている。
買ってきたというお菓子の紙袋には、なぜか沖縄名物のちんすこうの文字。
その意味深な響きに、鳥肌が立つ。
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