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“信じてくれ”という割には、気まずそうに視線をすぐそらす。犯人だといってるようなもんだ。
だが、左の鼻穴から血が垂れているのは気の毒だ。
見るに見かねてその鼻めがけてポケットティッシュを擦り付けてやると、そいつは大豆みたいなまるい頭を自ら叩いて「すみません」とへらへら笑った。
鶴見に対してはずいぶんと強気だったくせに、まるで子ウサギちゃん。
許しを乞うようにウルウルしたつぶらな瞳を投げかけてくる。情けない。可愛くもない。
残りの二人も同じだ。
目を合せてもすぐにそらす。そのくせ、命ごいだけは立派なもの。
俺が怒っているのは復讐に対してだけじゃない。絶対にもう誰の金もせびらないと約束させたにも関わらず、またやったのだ。
二度あることは三度ある。
今度という今度は許さない。
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