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いかにも業務用っぽい銀色の扉は、家で料理ばかりやっている俺にとって憧れでしかない。大きいのに壁にすっぽりと収納されていてスペースにムダがない。
他にも、水垢ひとつないピカピカのシンクやIHのコンロ、広々とした作業台。
どこも掃除しやすそうにシンプルで無駄のない。
そのくせ収納は上にも下にもたっぷりある。溜息をつきたくなるほど完璧なオープンキッチン。
俺の住んでる家──築四十年の薄汚いアパート──とはまるで別世界。
「凛くん、さっきからずっと口あいてるよ」
「あっ……、ああ……」
心の動揺を隠すようにポケットに手を突っ込んでいたが、やはり、誤魔化しきれてなかったらしい。
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